星つなぎ

僕の趣味は天体観測。

深い闇に浮かぶ星々を繋ぐと1つの絵になるのは自然の神秘としか言いようがない。

その様子はとても感動的で日々の疲れをすっかり忘れさせてくれる。

1つ1つの星は詳しくは知らない。

せいぜい有名な星の名前と等級が分かるくらいだ。

それに国ごとに独自の星座もある。いちいち覚えていたらキリがない。

世界共通の星座は88個。その中でも古代ギリシャやエジプト、メソポタミアから伝わるものは特に有名なものが多く、僕達の星座もこれらに含まれる。遥か遠い昔から現代、そして未来へと伝わることに人間の営みの素晴らしさを感じずにはいられない。

 

 

ただ思うのだ。

本当にそれで全部だったんだろうか。

星座は星の集まりだ。それは一つ一つが太陽のような燃える星であり、明るく輝く星ほど激しく燃え、やがて燃え尽きる。

電球の発明や改良によって星が見にくくなった、なんて言う。けれど笑い話でなくて本当にかつてのギリシャで同じ様に空が光っていたのだろうか。

昔はもっと多くの星が輝き、多くの星座が夜空に駆けていたのではないか。

星は少しずつ失われていく。それと同時に生み出されていくものもある。同じように見えて空は少しずつ変わっていくのだ。小さな星の生死が大きな宇宙の構造を変えていく。

僕らの住む地球は自ら発光したりしない。

つまり宇宙の構造に影響は与えないのだ。

僕らにできることは空を見つめ、いつの時代も夜空に美しい星座を描くことだけだ。